PCCSによる色表示
PCCSと色の分類 で基本的な使い方を学んだPCCSは、色彩調和 を目的とした表色系 で、配色を考えるのに適しています。
Practical Color Co-ordinate Systemの頭文字をとった名前になっており、一般財団法人日本色彩研究所が開発しました。
PCCSの色相環
PCCSでは、色相をHueと呼びます。PCCSの色相環は、白も黒もグレイも混ざっていない純色 を並べたもので、24色相で構成されています。
この色相環は、次のような手順で決められたものです。
- 心理四原色と呼ばれる赤・黄・緑・青の色相を置く
- 心理四原色の対向位置(向かい側)に、心理補色に近い色相を置く
- 等間隔に見た目が変化するように、残りの偶数番号の色相を置く
- 色相の間に中間の色相を置いて、24色相を完成させる
心理四原色とは、赤らしい赤、黄らしい黄、緑らしい緑、青らしい青のことで、赤なら赤の色みしか感じられない、最も赤らしい赤を指します。この4色は人間の基本色覚とも呼ばれ、生まれながらに識別できる色といわれています。
PCCS色相環で向かい合う色は、心理補色の関係になっています。
心理補色とは、ある色をじっと見つめた後、その色を取り去ったときに見える残像の色で、この残像は補色残像 と呼ばれます。
PCCSの色相は偶数番号が主役であり、配色を考えるときもこの12色相を中心に考えることが多いです。
心理四原色
心理四原色と心理補色
偶数番号の12色相
色相の表示方法
PCCSの各色相には、紫みの赤(pR:purplish red)から時計まわりの順に、1から24の色相番号がつけられています。
この色相番号の後に、主な色みを表す色相の略記号を大文字で、色みの偏りがある場合は修飾語(〜ishの部分の頭文字)を小文字で表したものをつけて色相を表します。
このような色相の表記を色相記号といいます。
- purplish red(紫みの赤:紫に偏った赤)を色相記号で表すと、1:pRとなる
- red(赤:他の色みに偏らない純粋な赤)を色相記号で表すと、2:Rとなる
色相をクリックして、色相記号や色相名を確認してみよう
PCCSの明度
PCCSでは、明度をLightnessと呼びます。
最も暗い色である黒の明度を1.5、最も明るい色である白の明度を9.5とし、その間に0.5刻みの15色の灰色を置くことで、明度を段階に分けて表します。
さらに、低明度、中明度、高明度のグループにまとめて、大まかに明度を表すこともあります。
- 低明度:1.5〜4.0の範囲
- 中明度:4.5〜6.5の範囲
- 高明度:7.0〜9.5の範囲
PCCSの彩度
PCCSでは、彩度をSaturationと呼びます。
最も鮮やかな色の彩度を9sとし、同じ明度の無彩色を0sとして、その間を変化が等しく見えるように分割することで、彩度を段階に分けて表します。
ここで、段階を表す数字の後ろにつく小文字sは、Saturationの頭文字です。
さらに、低彩度、中彩度、高彩度のグループにまとめて、大まかに彩度を表すこともあります。
- 低彩度:1s〜3sの範囲
- 中彩度:4s〜6sの範囲
- 高彩度:7s〜9sの範囲
トーンの概念
似た明度と彩度の領域をトーン(色調、色の調子)とよび、トーンによって大まかな色のイメージが決まります。詳しくはトーンと色のイメージ で学んでみてください。
色相が8:Yの色のトーンマップ
同じ色相でも、明度や彩度(トーン)が異なると、まったく違う色になります。
色相・明度・彩度の三属性を使って色の位置関係を表すには、3次元の色立体 が必要になります。
しかし、PCCSでは、明度・彩度をトーンとしてまとめることで、色相環とトーンマップという平面上に描ける2次元の図で色の位置関係を表すことができます。
PCCSのように、色相とトーンの二属性で色を表示する方法は、ヒュートーンシステムと呼ばれます。
色の表示方法
PCCSでは、記号を使った色の表し方が2種類あります。
- 色の三属性による表記
- トーンによる表記
有彩色の場合
色の三属性による表記
有彩色は、「色相記号-明度-彩度」という形式で表します。
トーンによる表記
有彩色は、トーンの略記号の後に色相番号を並べて表します。
たとえば、v2(トーンによる表記)と2:R-4.5-9s(色の三属性による表記)は、同じ色を表します。
無彩色の場合
色の三属性による表記
無彩色は、「n-明度」という形式で表します。
トーンによる表記
白はW、黒はBk、グレイは「Gy-明度」という形式で表します。
色立体と等色相面
PCCSの色立体では、上から見たときの円周上に色相の違いを観察できます。
一番外側に並ぶのは最も鮮やかな純色であり、各色相の純色はすべて同じ彩度であることから、上から見ると正円になります。
そして、横から見たときには、色立体は球を斜めに歪めた形になります。
これは、色相によって純色の明度が異なるため、純色の位置が上下にずれているためです。最も明度が高い8:Yは最も高い位置に、最も明度が低い20:Vは最も低い位置にあります。
ドラッグ操作で回転させて、さまざまな角度から色立体を見てみよう
この色立体を中心軸のところで縦に切ると、等色相面 が現れます。
縦中央の彩度0sの位置に無彩色が並び、左右の色相が補色の関係になっていることがわかります。
PCCSの色票集
色を指定したり、見比べて測ったりするための色見本が色票集です。
PCCSの色票集として、新配色カード があります。
新配色カードには、vトーンは全色相の24色、その他のトーンは偶数色相のみの12色が収録されており、sトーンは収録されていません。
また、pトーンとltトーンは、概念上の色より彩度が高く印刷されており、その印として+をつけてp+トーン、lt+トーンのように表記されています。