マンセル表色系

2級

マンセル表色系は、国際的に使われている表色系の一つで、日本でも産業界や学術研究などの分野で使われています。

その原型は、アメリカの画家で美術教育家であるアルバート・マンセルによって考案されました。
のちにアメリカ光学会OSA)によって、光学的な測定をもとにすべての色票が均等な間隔になるよう調整され、これはマンセルが作ったオリジナル版と区別して修正マンセル表色系と呼ばれます。(現在では、単にマンセル表色系といえば修正後のものを指します。)

マンセル色相環
2級

マンセル表色系では、色相はHueと呼ばれます。

色相はマンセルが基本色として選んだRedYellowGreenBluePurpleの5色を原色一次色)とし、これらはそれぞれの頭文字をとってRYGBPと表示されます。
この5色に、それぞれの中間色相であるYRGYBGPBRPを加えた10色が、色相を表すための記号となります。

中間色相を表す記号は、両隣の原色の頭文字を反時計回りに組み合わせたものになっています。
たとえば、RとPの中間色相はRP、YとRの中間色相はYRです。

5つの原色

RYGBP

中間色相を加えた10色相

RYRYGYGBGBPBPRP

この10色相をさらに10分割すると、100色相を表すことができます。

分割した色みの違いは、色相のアルファベットの前に0より大きい10以下の数字をつけて表します。
各色相を10分割して番号を振っているため、各色相の中心は5となり、この5がついた色相がそれぞれの色相を代表します。

Yの色相では、5Yが代表色相です。

3R4R5R6R7R8R9R10R1YR2YR3YR4YR5YR6YR7YR8YR9YR10YR1Y2Y3Y4Y5Y6Y7Y8Y9Y10Y1GY2GY3GY4GY5GY6GY7GY8GY9GY10GY1G2G3G4G5G6G7G8G9G10G1BG2BG3BG4BG5BG6BG7BG8BG9BG10BG1B2B3B4B5B6B7B8B9B10B1PB2PB3PB4PB5PB6PB7PB8PB9PB10PB1P2P3P4P5P6P7P8P9P10P1RP2RP3RP4RP5RP6RP7RP8RP9RP10RP1R2R5R10R5YR10YR5Y10Y5GY10GY5G10G5BG10BG5B10B5PB10PB5P10P5RP10RP

マンセル表色系の色相環では、時計回りに数字が大きくなっていることがわかります。

Yの色相では、数字が小さいほどYR寄りの色に、逆に数字が大きいほどGY寄りの色となります。

また、マンセル表色系では0を使った色相表示はしないため、たとえば0Yの色相であれば、10のつく隣の記号を使って10YRと表示することになります。

さらに細かく色相を表すときは、2.5YRのように小数点以下の数字で表すこともできます。

マンセル色相とPCCS
2級

マンセル表色系の色相を表す記号は、あくまでも光学的に均等になるように割り振った記号であり、実際の色の印象と記号が一致していない部分もあります。

PCCS との色みのずれは、特に系の色で顕著に感じられます。たとえば、マンセル表色系の青の代表色相5Bは、純粋な青というより緑みの青に見え、PCCSでは16:gBに対応します。

4R7R10R4YR8YR2Y5Y8Y3GY8GY3G9G5BG10BG5B10B3PB6PB9PB3P7P1RP6RP10RP5R10R5YR10YR5Y10Y5GY10GY5G10G5BG10BG5B10B5PB10PB5P10P5RP10RP1:pR2:R3:yR4:rO5:O6:yO7:rY8:Y9:gY10:YG11:yG12:G13:bG14:BG15:BG16:gB17:B18:B19:pB20:V21:bP22:P23:rP24:RP

マンセル表色系の明度
2級

マンセル表色系では、明度をValueと呼びます。

光を100%反射する理想的な白の明度を10、光を100%吸収する理想的な黒の明度を0として、その間に明るさが均等に変化する9色の灰色を置くことで、明度を段階に分けて表します。

しかし、理想的な白と理想的な黒は、実際につくることはできません。そのため、色票では最も明るい色を明度9.5、最も暗い色を明度1.0としています。

マンセル表色系の彩度
2級

マンセル表色系では、彩度をChromaと呼びます。
これは、無彩色を0として、無彩色からどれだけ離れているか?という段階を表す数値です。

PCCSでは最高彩度の値は9sで統一されていましたが、マンセル表色系では、実際に色票で実現できる色を最高彩度の値として定めています。
そのため、色相によって最高彩度の値が異なり、彩度の値が同じでも色の鮮やかさに違いが感じられることもあります。

マンセルの色立体
2級

マンセル表色系では、色相によって最高彩度の値が異なるため、横方向にどれだけ広がるかが色相によって変化し、色立体 は凸凹とした形になります。

ドラッグ操作で回転させて、さまざまな角度から色立体を見てみよう

今後の技術の発展によって、より高い彩度の色を再現できるようになれば、色立体の形も変わっていく可能性があります。
色立体の形状がさまざまな方向に枝を生やしているように見えること、これがさらに樹木のように成長していく可能性を込めて、マンセル自身はこの色立体をカラーツリー色彩の樹)と名付けています。

等色相面

色立体は中心軸の周りに等色相面を並べたものであるため、マンセル表色系では等色相面の広がり方が色相によって異なることも、色立体を回転させてみるとわかります。

等明度面

中心軸に対して垂直に交わるように、色立体を水平に切断して現れる平面には、色立体の中で同じ高さにある(明度が等しい)色が並ぶため、等明度面と呼ばれます。

等明度面の中心は無彩色軸で、同一円周上には彩度の等しい色が並びます。外側に行くほど彩度が高くなっていきます。

等明度面の形状は、色立体を上もしくは下から見てみるとわかります。
最大彩度が色相によって異なるマンセル表色系では、等明度面の円の外周は凸凹した形になります。

色の表示方法
2級

マンセル表色系では、有彩色はHV/Cと呼ばれる記法で表します。
色の三属性を表す数値や記号を「Hue Value / Chroma」という形式で並べたものです。

色相が5R、明度が3、彩度が8の色は、5R 3/8と表され、「5R、3の8」と読みます。

また、無彩色は、中性・中立を意味するNeutralの頭文字を使って、Nの後に明度を表す数値をつけて表します。

明度が5の無彩色は、N5と表されます。

マンセル表色系の色票集
2級

マンセル表色系の色票集として代表的なものは、次の2つです。

  • JIS標準色票
  • Munsell Book of Color

これらの色票集は、どちらも40色相を採用しています。