色差と均等色空間

1級

色の違いの大きさは、色空間上で2色がどれだけ離れているかという距離として測ることができます。
ただし、その距離が見た目の違いに対応するかどうかは、色空間のつくり方によって変わります。

色空間とは、色を空間内の位置を表す座標に当てはめた、色のための座標空間(数字の組で表す仕組み)のことです。

マックアダム楕円
1級

xy色度図 では、色度をの値の組で表し、平面上の点として並べました。
点として並んでいるのなら、2点間の距離を測るだけで、2色がどれくらい違って見えるかも分かりそうに思えます。

しかし、xy色度図上で同じだけ離れた2色は、いつも同じくらい違って見えるとは限りません。このずれを等色実験 によって明らかにしたのがマックアダムです。

マックアダムは、色の見た目の差がxy色度図上の領域によって異なることを、マックアダム楕円マックアダム偏差長円とも呼ばれます)で示しました。

次の図は、マックアダムの実験で求められた25色分の楕円を、xy色度図上に描いたものです。

実際のマックアダム楕円は小さすぎて見えないため、図では10倍に拡大して描いています。

00.10.20.30.40.50.60.70.800.10.20.30.40.50.60.70.80.9xy

楕円は、xy色度図上に基準となる色を置き、その色と見分けがつかない色の範囲を囲んだものです。
各楕円の中心の色(楕円の長軸と短軸の交点)が基準色で、楕円の内側にある色は、この基準色とほぼ同じ色に見えます。

基準色からどの向きへ動いたとしても、動いた先の色と基準色との見た目の違いがどこでも同じであれば、その範囲は円になるはずでした。
ところが、実験の結果として得られた見分けのつかない範囲は、円ではなく楕円になってしまったのです。このことが、色の見た目の差がxy色度図上のどこでも均等だとはいえないことを表しています。

楕円は、ある方向には短く、ある方向には長く伸びた形をしています。この伸び方は、xy色度図上でどれだけ離れた色を選べば見た目の違いが分かるかに対応しています。

  • 短い方向:少し色が変わるだけで違いが分かる
  • 長い方向:かなり色が変わっても違いが分かりにくい

楕円の大きさや向きは色度図上の場所ごとに異なるため、色度の差(xy色度図上の距離)は、そのままでは知覚的な色の差(見た目の色の違い)を表す尺度にはなりません。

色差の表示と均等色空間
1級

2つの色がどれくらい違っているか、その大きさを色差といいます。
色差を数値で表すには、色空間の上での距離が、そのまま見た目の色の差に対応していると便利です。

そこで、見た目の差を距離として読み取れるように、XYZ表色系 を変換して、均等色空間UCS:Uniform Color Space)が作られました。

均等色空間では、知覚的に同じだけ違う2色は、どの色の領域にあってもほぼ一定の距離で表されます。明るさの差も、知覚される明度の差に対応します。そのため、2色の距離を色の見た目の違いとしてそのまま捉えることができます。

L*u*v*色空間L*a*b*色空間など、さまざまな均等色空間がありますが、産業界で一般的に使われているのはL*a*b*色空間です。

次のページでは、このL*a*b*色空間 について掘り下げていきます。