インテリア概念の成立
住宅が内と外をどう隔ててきたかによって、屋内空間をどう仕切り・どう住まうかという、インテリアに対する意識には違いがありました。
西洋の住宅
西洋の住宅は、石やレンガを積み上げてつくられ、建物の内と外が重厚な壁ではっきりと区画されています。部屋と部屋も壁で仕切られ、外部から切り離された閉鎖型の空間が形づくられてきました。
内と外が明確に分かれていたことで、西洋では早くから、屋外のエクステリアと屋内のインテリアが明確に意識されています。
壁で仕切られた部屋は役割が固定され、置かれた家具によって部屋の名前が決まります。たとえば、ベッドがあれば「ベッドルーム」、食卓があれば「ダイニングルーム」といった具合にです。
家具と部屋の用途が結びついているため、用途や様式に合わせて屋内を飾るインテリアデコレーションが発達し、西洋のインテリアデザインには長い伝統があります。
日本の住宅
西洋の住宅とは対照的に、日本の住宅は壁や仕切りが少なく、その原型は平安時代の貴族の住まいである寝殿造りにさかのぼります。
屋外と屋内が連続する開放型の空間構成をとってきたため、屋外から切り離されたものとしてインテリアを意識することは、あまりありませんでした。
部屋の使い方も、西洋とは大きく異なります。
日本の住宅では、布団やちゃぶ台、座布団といった家具や装備を必要に応じて出し入れしながら、同じ部屋で、就寝・食事・仕事・くつろぎといったさまざまな生活行為を行ってきました。
部屋が特定の用途に縛られないため、その部屋特有の固定された家具類(たとえばベッドなど)は、欧米ほどには発達しませんでした。
しかし現代では、日本でもライフスタイルの欧米化が進み、椅子やテーブル、ベッドといった固定的な家具を備えた住まいが一般的になっています。
それにともなって、屋内をどう構成し、どう飾るかを整えるインテリアコーディネーションの必要性が高まっています。