色と感覚
私たちは色に対してさまざまなイメージを抱きますが、その中でも多くの人が共通して感じるとされる色のイメージもあります。
そのような普遍的なイメージには、色の三属性が関わっています。
- 色相が生むイメージ:寒暖感、進出・後退感
- 明度が生むイメージ:膨張・収縮感、硬軟感、軽重感
- 彩度が生むイメージ:興奮・沈静感、派手・地味感
色の寒暖感
色を見たときに、「あたたかい」「冷たい」といった温度のイメージを感じることがあります。
これを色の寒暖感といい、色の三属性のうち色相が深く関わるものです。
- 暖色:あたたかく感じられる色(赤、橙、黄系)
- 寒色:冷たく感じられる色(青緑、青系)
- 中性色:温度感を感じない色(緑、紫系)
光の波長で考えると、長波長域が暖色、短波長域が寒色に分類されます。
PCCS色相環における暖色・寒色
PCCS色相環で考えると、暖色は1:pR〜8:Y、寒色は13:bG〜19:pBとされています。
暖色と寒色の間に挟まれた緑系や紫系は中性色であり、この付近で寒暖が切り替わります。
色の寒暖感と彩度
同じ色でも、低彩度色では寒暖感の効果は弱くなります。
また、無彩色は有彩色に比べると冷たく感じられやすいです。
色の進出・後退感
実際には同じ距離に置かれていても、色によって近くにあるように見えたり、遠くにあるように見えたりします。これを進出・後退感といい、距離の判断には色相が深く関わっているといわれています。
- 進出色:実際より近くに感じる色
- 後退色:実際より遠くに感じる色
進出色と明度
暖色系の色は進出色
同色相の場合は、高明度色の方が近く感じる
後退色と明度
寒色系の色は後退色
同色相の場合は、低明度色の方が遠く感じる
色の膨張・収縮感
形状と大きさが同じ物体でも、色が変わるとサイズが違って見えることがあります。これを色の膨張・収縮感といい、物体の見かけの大きさの判断には明度が深く関わっているといわれています。
- 膨張色:実際より大きく見える色
- 収縮色:実際より小さく見える色
膨張色は高明度色、収縮色は低明度色です。
同じ明度であれば、色相が異なっていても見かけの大きさはあまり変わりません。
囲碁の碁石の例
同じ大きさの白い丸と黒い丸を並べると、白い丸の方が大きく、補助線を圧迫しているように見える
このような現象を避けるため、実際の碁石では、白の方が小さめに作られている
視覚調整
色の膨張・収縮感により大きさが変わって見える場合、同じ大きさに見せるには、次のような視覚調整が必要となります。
- 明るい物体のサイズを小さくする
- 暗い物体のサイズを大きくする
色の硬軟感と軽重感
色が見かけの硬さに影響する効果を色の硬軟感、色が見かけの重量感覚に影響する効果を色の軽重感といいます。どちらも明度が深く関わっているとされる効果です。
- 高明度色は軟らかく、軽く感じられる
- 低明度色は硬く、重そうに感じられる
色の硬軟感と軽重感
色の硬軟感に色相の影響は弱いといわれているが、暖色の方が少しやわらかい印象となる
軟らかい色のPCCSトーン
PCCSのトーンでは、軟らかい色の代表としてpトーン、ltトーン、sfトーンがあげられる
硬い色のPCCSトーン
PCCSのトーンでは、硬い色の代表としてdkトーン、dkgトーンがあげられる
色の軽重感とバランス
色の軽重感を利用すると、色の配置によってバランス(安定感)やアンバランス(躍動感)を演出することができます。
バランス
低明度色を下にすると安定して見える
アンバランス
高明度色を下にすると不安定に見える
動きを感じさせる効果もある
色の興奮・沈静感
色の興奮・沈静感には、主に彩度と色相が影響します。
- 興奮色:気持ちを高揚させる色
- 沈静色:気持ちを落ち着かせ、リラックスさせる色
興奮色
興奮色は、暖色系の高彩度色
沈静色
沈静色は、寒色系の低彩度色
色の派手・地味感
色による派手さの印象には、彩度が大きく影響します。
派手な色
高彩度色は派手な印象
地味な色
低彩度色は地味な印象
色の派手・地味感と明度
彩度ほどではないですが、色の派手さには明度も若干影響し、明度で比べると高明度色の方が派手に感じられやすいといわれています。